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【届出だけ!】いざという時に知っておきたい労災保険の休業補償

 2017/06/21 特集
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仕事の関連でケガや病気をしたとき、治療費はカバーできてもその間の給料補償がないと大変です。満額でなくても会社からいくらかもらえれば良いのですが、そうした制度の無い職場も多いようです。労災で仕事ができないとき、労災保険から給付がもらえる場合があるのをご存知でしょうか。ここではいざという時に知っておけば心強い、労災保険の休業補償について詳しく見ていきます。

労災保険の休業補償給付とは

ⓒkei907

 

労災保険の休業補償の概要を知ろう

労災保険の休業補償とは、働いている人がその業務上や通勤時に病気やケガを被り、労働できなくなったときに給料の補てんとしてもらえる給付金のことです。 労災保険の休業補償給付には2種類あり、労働災害によるものに関しては休業補償給付、 通勤災害によるものでは休業給付と呼ばれています。 労災保険の休業補償は休んでいる間の給与が、会社から支払われない場合にのみもらえます。対象となるのは仕事に関わる病気やケガで3日以上の休業があったとき、4日目からの支給となります。3日の休業に関しては、連続で休んでいなくても構いません。 最初の3日間については待機期間と呼ばれ労働基準法の定めによって、事業主が休業補償を行います。

ただし通勤中のケガなど通勤災害については、事業主に補償する義務はありません。 実際にもらえる1日あたりの支給額は、直前3か月間の賃金を日数分で割った約8割で計算されます。内訳は、休業補償給付60%+休業特別支給金20%です。 通院などにより全日の勤務ができず1日の給与全額がもらえなかった場合にも、不足分の60%が補てんされます。

労災保険の休業補償は誰がもらえるのか

労災保険の休業補償は被雇用者であれば、給付対象となります。非正規雇用者であっても、仕事に関わる病気やケガであれば、休業補償が受けられます。 ただし会社の取締役や自営業者などは、給付の対象外となります。休業補償がもらえる人のポイントは次の通りです。

  • 企業に勤めており給与をもらっている人
  • 仕事中や通勤途中にケガを負った場合や業務上に関わる病気の場合
  • 休業中の給与が支給されない人

会社によっては、労災による休業についての補償を規定で定めている場合もあります。その一方では、労働基準法で定められた3日間以降の給与補償がないという中小企業も珍しくありません。 パートやアルバイトなどでは補償対象としていない企業も多く、働けなくなると生活に行きづまるケースも見られます。 労災保険の休業補償は雇用者・被雇用者双方の窮状をサポートするための制度といえます。

休業補償給付の最低・最高補償額

パートやアルバイトの場合、時給換算されて給与が支払われているため、直近3か月分の給与を元に計算すると金額が少なくなり過ぎるという場合もあります。 休業補償給付で生活ができないのでは、給付する意味がありません。そうした矛盾を避けるため、休業補償では給付金の上限と下限が設けられています。

最低保証額については、厚生労働省統計による勤労統計調査の平均給与額を基準として毎年改正されます。 最低保証額は年齢階層で区分されており、平成27年時点では20歳未満が4,671円で、最高補償額の限度は13,160円となっています。最低保証額がもっとも高額に設定されているのは、45歳以上50歳未満の6,840円ですが、最高補償額は50歳以上55歳未満の25,124円です。それぞれの年代の最低・最高補償額の範囲内で、個人の収入に見合った給付が成されます。

労災保険の休業補償給付を申請する流れ

ⓒtakasu

給付支給請求書の入手と記載事項

労災保険の休業補償給付を申請するには、申請書を提出する必要があります。会社が手続きをしてくれるわけではないため、自分自身が申請しなければ何ももらえません。 申請書は会社が準備している場合もありますが、労働基準監督署や厚生労働省のサイトからも入手できます。 労働災害の提出書類は「休業補償給付支給申請書(様式第8号)」、通勤災害の場合は「休業給付支給申請書(様式第16号の3)」になります。 自分で記載する申請書の主な内容は次の通りです。

  1. 労働保険番号
  2. 住所・氏名
  3. 労働できなかった期間
  4. 給付金の振込先
  5. 会社の名称・住所など

この他、裏面に労働時間や災害が起こった状況などを記載する欄があります。会社の担当者が記載する場合もあるので、確認をしておくと良いでしょう。 指定された欄の文字は機械で読み取りされるため、楷書体で記入しなければなりません。また、書き損じなどがあると正しく読み取れないので、念のため予備の用紙をもらっておくと安心です。

労災保険の休業補償給付を申請する際の必要書類

休業補償給付を申請する際には添付書類として賃金台帳・出勤簿なども提出しますが、これらは会社側から準備してもらいます。申請書には、診療担当者の証明を記載する欄があるので、申請書を受け取ったら、病院で記載してもらう必要があります。 仮病による不正申請を防ぐために、必ず記載が求められます。申請から実際に給付されるまでには、かなりのタイムラグがありますので、仕事を休まなければならないことが判明した時点で、すぐに申請書を入手しておくと良いでしょう。

休業の日数が確定したら、日を置かず病院に記入を依頼するようにしましょう。 休業補償給付は、会社を退職した後からでも申請できます。ただし、有効期限は休業した日の翌日から2年までです。この期間を経過した後からは、申請ができなくなります。 不明点があった場合には勤務先の担当部署の他、社会保険事務所や労働相談所などでも相談ができます。

労災保険の休業補償申請後の流れ

休業補償申請書の提出先は、住んでいる地域の労働基準監督署になります。必要書類を添えて申請しますが、会社経由で提出してもらえる場合もあります。自分で必要事項を記入した後、総務・人事の担当者や社労士が給与計算して書類を整備します。書類の提出後には、休業補償給付に該当するかどうかの審査が行われます。

ここで労災と認められない場合には、審査通過ができません。審査が通れば指定した口座に給付金が振り込まれますが、通常は書類提出から早くても1か月以上かかります。書類に不備があれば差し戻しされ、さらに時間がかかります。 仕事を休む日が長期にわたる場合には、何回かに分けて申請ができます。この場合には、2回目からは給付までの時間がいくらか短くなるようです。

労災保険の休業補償でもらえる金額

ⓒhikdaigaku86

労災保険の休業補償の支給開始と給付基礎日額の計算

労災保険の休業補償は、休業から3日経過後の4日目からが対象となります。休業した日1日について、給付基礎日額の約8割がもらえるシステムです。 給付基礎日額は失業給付でも使われることばですが、労働基準法の平均賃金を意味します。 基本的には労災に遭った日の直前3か月分の賃金を、日数で割った金額となります。賃金は通常もらえている部分のみが対象となり、臨時手当などは含まれません。

例えば月の給与が30万円の人が7月に労災に遭った場合、直近の4~6月を元に給付基礎日額を計算します。この場合は4月が30日、5月が31日、6月が30日なので、30万円×3か月の90万円を91日で割ります。 給付基礎日額では端数を切り上げるので、9,891円が1日分の給付金の元になる金額です。 9,891円は1日当たりの賃金の満額なので、この約80%が実際にもらえる給付金となります。

具体的にもらえる金額を計算する方法

休業日4日目以降にもらえる1日当たりの給付金は、保険給付が60%、特別支給金が20%です。 給付基礎日額が9,891円であれば、保険給付は9,891円×60%で5,934円60銭、特別支給金は9,891円×20%で1,978円20銭です。ここでは端数は切り捨てて計算されるので、5,934円+1,978円=7,912円が1日分の給付金になります。労災によって1週間休業した場合には、7,912円×7日分の55,384円がもらえる計算となります。労災保険の休業補償の場合、業務上または通勤によるケガや病気の療養により、賃金がもらえないという条件に適応していれば、会社の定休日であっても日数分が支給されます。

この辺りの考え方も失業給付に類似しており、会社の営業状態に関わらず、日数換算によって金額が決められます。 労災によるケガや病気で働くことができない状況であれば、その時間分の生活費が給付によって補てんされます。

労災保険の休業補償利用の現状

労災による療養が長期間に及ぶ場合、休業補償給付がいつまで受けられるのか心配になります。療養する原因が労災によるものであり、賃金が支払われていないという状況であれば、その間は休業補償の支給対象となります。ただし、療養開始から1年6か月経過しても依然として働けない状態が続いており、傷病等級に該当する障害が認められると傷病補償年金が支給されるようになります。

労災保険にはこの他にも、療養補償給付や介護補償給付などさまざまな給付金があります。給付全体から見た場合、休業補償は毎年約15%前後の割合を占めています。休業補償を利用している人の中には、精神障害や脳、心臓の病気も含まれています。最近、社会問題となっている宅配便・トラック運送業界などで、こうした病気が労災として認められるケースが特に多いようです。

まとめ

仕事が原因でケガや病気をしたとき、しっかりとバックアップしてくれるような企業であれば安心です。しかし、そうした会社は社会の一部に限られています。また、通勤時のアクシデントまではカバーされないという場合もあります。働けず、給与がもらえない状態では、生活していけません。労災保険の休業補償は、そうした労働者の生活をサポートする制度です。いざというときに慌てないよう、日頃から勤務先の就業規定を確認しておくと共に、休業補償の知識があれば安心して働くことができます。

ライター紹介 ライター一覧

mar

mar

50代女性。
パソコン講師、web企画・制作、クラッシックアーティスト事務所サブマネージャー、経済データベース講師、求職者支援訓練講師など多彩な業務に従事。
介護のため退職し現在は在宅ライター・心理学系セミナー講師をしながら、インコとイヌをお供に暮らしています。ビジネス系・転職系の記事が得意です。

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